外注費削減を目的にマーケティングの内製化を検討していませんか?
しかし、いきなり全てを自社で行うのは危険です。

本記事では失敗しない内製化の進め方を解説。
外部と連携する「ハイブリッド型」の3ステップを紹介します。

「完全自社化」の罠と失敗リスク:内製化の進め方

「外注費を削減したいから、マーケティングを内製化する」 多くの経営者がこの動機で内製化プロジェクトをスタートさせますが、残念ながらその8割以上は失敗に終わるか、以前より成果を落とす結果となっています。

2025年現在、インフレによる人件費や採用コストの高騰は著しく、ゼロから専門部署を立ち上げるコストは、外注費を払い続けるコストを上回るケースが珍しくありません。

特に危険なのは、戦略設計から運用実務、クリエイティブ制作まで、すべてをいきなり社内で完結させようとする「完全自社化」のアプローチです。

マーケティングの領域は年々複雑化しており、Google広告、SNS(Instagram, TikTok, YouTube等)、SEO、CRMなど、それぞれの媒体で求められる専門スキルは異なります。

これらを一人の担当者や、経験の浅いチームだけでカバーすることは現実的ではありません。

結果として、「広告費は浮いたが、CPA(獲得単価)が高騰し、売上が半減した」という本末転倒な事態を招きます。

採用難と属人化による組織崩壊のリスク

内製化における最大のリスクは、人材の確保と定着、そして属人化の問題です。

優秀なマーケターの市場価値は非常に高く、年収1,000万円以上でも採用が困難な状況が続いています。

運良く採用できたとしても、その一人のスキルに組織全体の集客が依存してしまう構造は極めて危険です。

その担当者が退職した瞬間、広告アカウントの構造も、運用のロジックも、クリエイティブの勝ちパターンもすべてブラックボックス化し、集客がストップする事例を私たちは数多く見てきました。

また、社内に指導できる人間がいないため、担当者が誤った方向に進んでいても誰も修正できず、予算を浪費し続けるリスクもあります。

外部プロと連携する「ハイブリッド型」内製化3ステップ

失敗リスクを最小限に抑え、着実に利益体質へ転換するための最適解は、「完全内製化」ではなく、外部パートナーと連携しながら段階的に自社へ業務を移管する「ハイブリッド型内製化」です。

いきなりすべてを自社で抱えるのではなく、難易度の高い「戦略設計」や「初期構築」はプロに任せ、日々の運用やPDCAといった「ルーチン業務」から徐々に社内に取り込んでいく手法です。

これにより、成果を維持したまま、社内人材の育成期間を確保することができます。

私たちは以下の3ステップで進めることを推奨しています。

  • Step 1:戦略設計と初期運用の外部委託(成果の安定化) まずはプロが戦略を立て、勝ちパターンを作ります。
    この段階では成果を出すことを最優先し、社内担当者はパートナーの動きを見て学びます。
  • Step 2:並走期間(OJTによるノウハウ継承) 定例ミーティングを通じて、なぜその施策を行ったのか、どうデータを読むのかを共有します。
    一部の作業を社内担当者が行い、プロが添削する体制をとります。
  • Step 3:自走と高度な戦略支援(ハイブリッド体制の完成) 日々の運用は社内で完結させ、外部パートナーは四半期ごとの戦略見直しや、最新トレンドの共有、トラブル時の相談役としての「顧問」的な立ち位置に移行します。

戦略設計から自走支援へ移行するロードマップ

具体的な期間としては、半年から1年程度を見積もるのが現実的です。

最初の3ヶ月は徹底的に外部パートナー主導で「利益が出るモデル」を構築します。

ROAS(広告費用対効果)が安定しない段階で素人が手を出せば、傷口を広げるだけだからです。

4ヶ月目以降から、徐々に社内担当者が管理画面を操作し、レポート作成や入稿作業などを行っていきます。

ここで重要なのは、私たちのような「内製化支援」を前提としたパートナーを選ぶことです。

一般的な代理店は、自社の売上(手数料)が減るため、ノウハウの開示や内製化への移行を嫌がる傾向にあります。

「いつまでに、どの業務を社内に移管するか」という出口戦略を最初に合意しておくことが、プロジェクト成功の鍵となります。

内製化の真の目的はコスト削減でなく「LTV最大化」

経営者が内製化を進める際、もっとも意識すべき指標は「外注費の削減額」ではなく「LTV(顧客生涯価値)の最大化」です。

インフレにより、広告費(CPM/CPC)や人件費、原材料費など、あらゆる調達コストが上昇しています。

この状況下で、単に代理店手数料を削るだけの内製化は、ジリ貧を招きます。

内製化によって浮いたコストや、スピードアップしたPDCAの成果は、すべて顧客体験の向上に再投資すべきです。

例えば、広告運用を内製化して浮いた予算で、CRMツールを導入したり、既存顧客向けのコンテンツを充実させたりすることで、リピート率を向上させます。

私たちの支援実績でも、内製化を通じて顧客理解を深め、広告メッセージと商品サービスの質を一致させた企業ほど、LTVが伸び、結果として利益率が大幅に改善しています。

「広告運用のアウトソーシングをやめる」ことではなく、「顧客との関係構築をインハウス(自社)に取り戻す」ことこそが、内製化の本質的な目的です。

AI活用と研修で作る「少数精鋭」のマーケティング組織

2025年のマーケティング組織において、AIの活用は避けて通れません。

かつては5〜6人のチームが必要だった業務量も、AIツールを適切に組み込むことで、1〜2人の少数精鋭で回せるようになっています。

人手不足が深刻化する中で、大量の専任スタッフを採用するのは困難です。

これからの内製化は、「人」を採用するのではなく、「AI」を使いこなせる人材を育成することにシフトする必要があります。

私たちは、単なる広告運用の研修だけでなく、AIを活用した業務効率化まで含めた組織作りを支援しています。

AIエージェント導入で人件費を抑制し成果を出す

具体的には、以下のような領域でAIエージェントやツールを導入し、人間の業務を代替・拡張させます。

これにより、経験の浅い担当者でも、ベテランに近いパフォーマンスを発揮することが可能になります。

  • 市場調査・ペルソナ分析の自動化 膨大な口コミデータや検索トレンドをAIに分析させ、ターゲットのインサイトを抽出します。人間が数日かけるリサーチを数分で完了させます。
  • 広告クリエイティブ・LPの量産とテスト キャッチコピー案の作成や、画像生成AIを活用したバナー制作により、ABテストの回転数を劇的に上げます。人間は最終的な「選定」と「戦略」に集中します。
  • レポート分析と異常検知 日々の数値をAIがモニタリングし、ROASの悪化や予算超過などの異常があれば即座に通知。要因の一次分析までAIが行うことで、担当者の分析工数を削減します。

このように、AIを「優秀な部下」として配置することで、最小限の人件費で、筋肉質なマーケティング組織を構築することができます。

マーケティングの内製化は、単なるコストカット策ではなく、企業の利益構造を変革する経営戦略です。

しかし、準備なしに進めれば組織崩壊のリスクもあります。 まずは現状の課題整理から始め、貴社に最適な「ハイブリッド型」のロードマップを描いてみませんか。